
脱毛サロンでも医療脱毛が出来るクリニックでも脱毛の前後は日焼けをしないように注意を促しています。
なんとなく聞いたことはあるけれど、特別気にしていないというそこのあなた!
日焼けを甘く見ていると、シミやしわのような肌老化を急速に進めてしまう事になりかねません。
特に脱毛前後の日焼けは紫外線の影響を受けやすくなるのでより危険です。
今回は脱毛前後の日焼けがなぜ危険なのか、また日焼けが引き起こす肌老化について、そして誰でもできる正しい紫外線対策について解説します。
この記事の目次
脱毛前後の日焼けはなぜ危険?
何となく肌に良くないから~…という事くらいは知っていると思いますが、脱毛前と脱毛後の日焼けが普段の日焼けとどう違うのか、そして脱毛と肌にどう影響してくるのかをきちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。
まずは日焼けが脱毛に与える影響から見ていきましょう。
脱毛前の日焼けが危険な理由
①脱毛直前(数日前~当日)の日焼け
施術当日や前日の日焼けはとても危険です。
脱毛はレーザー(フラッシュ)、電気針ともに毛根周辺の毛を作り出す細胞(毛乳頭・毛母細胞)を破壊することで成立するので、脱毛をする時点で肌にストレスがかかります。
脱毛をするための機械は極力毛を作る細胞のみを破壊するように作られていますが、その周辺の皮膚に軽度の炎症ややけどを起こした状態になります。
特にレーザー脱毛は瞬間的に毛根周辺の細胞が約70度まで上昇します。
ごく軽い炎症ややけどなので、肌が健康な状態であれば適切な保湿と冷却を行う事ですぐに回復することが出来ます。
肌が重度の炎症を起こさないようにするためには、脱毛をする時点で体・肌ともに健康な状態である事が必要です。
日焼けは紫外線によって皮膚がやけどを起こしている状態です。
やけどを起こした状態の肌に、さらに強いレーザーや電流による熱を加えるともともとのやけどと炎症を悪化させてしまいます。
日焼け後の脱毛はやけど・色素沈着(黒ずみ・シミ)・痛みやかゆみといった症状が出る可能性があり危険です。
また脱毛で使われるレーザーは、色素に反応するレーザーを使用しています。
日焼けで肌が赤くなっているとレーザーの熱が皮膚に分散されてしまい、脱毛の効果が落ちる上に皮膚にさらなるやけどを作ってしまうという悪循環になります。
②長期的に日焼けした肌への危険
施術直前の日焼けがなく、炎症を起こしていない状態でも焼けた黒い肌への脱毛にはいくつかの危険性があります。
肌が黒い人は脱毛をするときに様々な制限がかかってしまいます。
最近主流になっているレーザー脱毛やフラッシュ脱毛の多くは、黒い色素にレーザーの熱が集まる習性を利用しています。
レーザーを皮膚に照射すると、肌よりも色が黒い体毛にレーザーが集まり熱せられます。
熱せられた体毛によって毛が生えるために必要な毛母細胞や毛乳頭の細胞が焼けて破壊され、脱毛が出来ます。
肌の色が黒ければ黒いほどレーザーの熱が皮膚に分散され、体毛の温度が十分に上昇せず毛母細胞・毛乳頭が十分に破壊されなくなります。
細胞が完全に破壊されないと、毛をすぐに再生することが出来ます。
その上、肌に分散されたレーザーによって皮膚がやけどを起こしてしまいます。
肌が黒い人は脱毛の効果が出にくく、皮膚の炎症を引き起こしやすいという事になります。
肌にレーザーのパワーが分散されるので、施術中の痛みも強くなります。
色が黒い肌でも最大限に熱を加えることが出来る、ヤグレーザー等もありますが、どうしても脱毛効果は弱くなってしまいます。
肌が白い状態の方が脱毛の効果が高まり、やけどや炎症のリスクを抑えることが出来ます。
長年の日焼けで色が黒くなって戻らない方は電気針脱毛でしか効果を出せなくなるので、脱毛が出来る場所がかなり限られてしまいます。
脱毛後の日焼けが危険な理由
脱毛後は普段以上に紫外線対策に気を配らなければなりません。
脱毛の施術で軽度の炎症を起こした肌は、水分が少なく皮膚のバリア機能が極端に低下した状態になります。
通常ではなんともない程度の日光でも、赤みやかゆみ、水膨れなどの重度の日焼けの症状を引き起こしやすくなっています。
特に夏場は曇りの日で強い直射日光を感じないような日でも、しっかりと紫外線対策をする必要があります。
また脱毛後はさまざまな乾燥肌の状態になるので、しっかりと保湿をすることが大切です。
効果的な日焼け対策の方法
紫外線の種類
日焼けの原因になる紫外線には2種類あります。
【UVA(紫外線A波)】
肌の奥深くまで届き、活性酸素を作り出します。
肌に水分を保つコラーゲンや、肌のハリに大切なエラスチンを破壊するどころか、DNAまで傷つけてしまう危険な紫外線です。
日焼けで色が黒くなるのはこのUVAのせいで、しわやたるみを引き起こし、見た目が老化する原因になります。
【UVB(紫外線B波)】
皮膚表面の赤いやけどのような炎症の原因になる紫外線です。
皮膚表面に活性酸素を作り、過剰なメラニンの生成を引き起こします。
メラニンが増加することで、シミやそばかすが出来る原因になります。
肌の回復力が極度に弱い方には皮膚がんの原因にもなる紫外線です。
日焼け止めの選び方
日焼け対策といえばまず日焼け止めです。
日焼け止めを選ぶときは二つの項目に着目して選ぶとよいでしょう。
【SPF】
UVBに対する防御効果を示す項目です。
日に焼けるとすぐに肌が赤くなる人はSPFが出来るだけ高いものを選びましょう。
目安としては軽い外出(1時間以内)にはSPF35以上、それ以上の外出やレジャー、スポーツの際はSPF50以上を使うのが理想です。
【PA】
UVAに対する防御効果を示す項目です。
紫外線によって色が黒くなるのを防ぐことが出来ます。
PA++++ 極めて高い効果がある
PA+++ 非常に効果がある
PA++ かなり効果がある
PA+ 効果がある
という指標ですが、夏場でも秋冬でもUVAは安定して降り注いでいるので、PA+++ 以上のものを選ぶのが理想的です。
日焼けしてしまったら
水ぶくれが出来てしまった場合
水ぶくれが出来てしまうほどの日焼けは、中程度のやけどに相当します。
熱湯をかけてできたやけどと同じくらいのものになります。
対応策としてはまず冷却です。
冷たいシャワーや氷・保冷剤などをまいたタオルなどで冷却しましょう。
ぶつけたりすりむいたりしないように、ガーゼなどで保護してから皮膚科を受診しましょう。
水ぶくれをつぶすと細菌が入ってさらに炎症を起こす可能性があるので、2週間程度かけて自然に治るのを待つようにしましょう。
真っ赤に焼ける・ヒリヒリと痛む場合
UVBによって皮膚表面に炎症が起きた状態です。
水ぶくれができた時と同じく、まず冷却することが大切です。
極端に冷たい氷などを直接当てるのは低温やけどの原因になるので、シャワーやプールなどの水で冷やすのがベストです。
流水がない場合には保冷剤や氷をまいたタオルでも問題ありません。
ヒリヒリとした痛みが引くまでには20~30分程度冷やし続ける必要があります。
きちんとひやして肌が落ち着いたら、ワセリンなどで皮膚を保護するようにしましょう。
日焼けをした時にやってはいけないこと
①熱いお風呂に入る
やけどをしている状態なので当然熱いものに触れるのはよくありません。
痛みがあるので熱いお風呂に入ろうとする人の方が少ないと思いますが、シャワーなどもできるだけぬるま湯か水で浴びるようにしましょう。
またタオルでこするのも肌に傷をつけ炎症を悪化させる恐れがあるので、手で優しく洗う程度に抑えておきましょう。
②きゅうりやアロエのパック
きゅうりやアロエを使った民間療法でやけどや日焼けの対策をする方もいるようですが、細菌による炎症を引き起こすリスクがあります。
アロエやきゅうりにはやけどに効果的な成分が含まれているといわれていますが、信憑性は定かではありません。
それよりも付着している細菌が傷口に入って炎症を起こす危険性が高いことが問題です。
どうしても使用したい場合は、必ず熱湯で炊いて消毒してからにしましょう。